一つは、自分の心を言い当てられたかのように「そうそうそなのよ!」と、大きく頷いてしまう歌。そしてもう一つは、意味はシンプルなことだけれど、その言葉の尽くし方に「やられた!」と打ちのめされる歌。
この「心言いあて型」と「言葉つくし型」の例を、古典の恋の歌で、読んでみよう。
@心言いあて型
・飽かでこそ 思はむなかは 離れなめ そをだにのちの 忘れ形見に 古今集巻14
・今ぞ知る 思ひ出でよと 契りしは 忘れんとての なさけなりけり 西行
A言葉つくし型
・唐衣 ひもゆふぐれに なる時は 返す返すぞ 人は恋しき 古今集巻11
・いづくにか 今宵は宿を かり衣 日も夕暮れの 峰の嵐に 藤原定家
「心言いあて型」にガツンとやられるもよし、「言葉つくし型」に酔わされるもよし。
古今集1100年、新古今集800年という節目の年に、大いなる日本語の財産に親しむことは、心豊かな時間を運んでくれることだろう。
【古今集
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