2006年03月28日

過去20年の責任隠すハゲタカ批判@

金融資本主義への批判の背後には、どのような意図があるのだろうか。
通常、ハゲタカと呼ばれる投資ファンドは、経営に無駄が多い企業や、倒産寸前の企業を買い取って、事業再編やリストラによって企業価値を高めることを目的とする。
最悪の場合、価値の高い資産を切り売りして、企業を消滅させることもある。
しかし、それは、企業を存続させる意義がないような場合だけだ。
(中略)
単純化を恐れずにいうと、ハゲタカファンドは、すでに価値の落ちた企業を掃除してくれていることになる。
したがって、ハゲタカ批判とは、これまで日本経済をゴミタメにしてきた人々の責任を不問に付し、ゴミを掃除しに来た批判する、という理不尽な話なのだ。
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  朝日新聞 2006.3.27 朝刊 私の視点 『マネーゲームは悪か』 小林慶一郎  
       
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2006年03月18日

ワールド・ベースボール・クラシック/WBC:世紀の大誤審

米国野球の審判員は審判学校入学時から地元有利の判定を暗黙のうちに教え込まれているという。
その背景に、メジャーのフランチャイズ制による熱烈な地元ファンの存在がある。
審判といえど、試合を盛り上げ、地元ファンを喜ばすためのショーマンに徹して、ときにアンフェアなジャッジを下すこともあるという事実である。
だが、今大会は野球の国際的発展を目指す大義からも、地元有利の理念が当てはまるわけもない。
‥‥他の参加国の審判派遣を1人に制限した。‥‥
‥‥首を傾げるのは、全試合を米国の球審が務めることだ。‥‥
野球文化は、日本や韓国など世界各地で根付いてきた。
米国のよもやの2次リーグ敗退を見るにつけ、その傲慢な牙城が崩れつつあるのも、紛れもない事実である。
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  朝日新聞 2006/3/18 朝刊 私の視点 『WBC疑惑の判定』 織田淳太郎  
       
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2006年03月12日

後の世に顔向けできるか

論理の射程が短く、「感動した」だの「ぶっ壊す」だのとエモーショナルな言葉を重ねる首相はとても幽玄な哲学の持ち主には見えないが、群衆にとってはかえって明快で小気味よく、マスメディアにとっては報じやすい政治家であるだろう。

彼の行く先々で人は群がって歓声を上げ、風景はなにやら祭りめいた。
メディアはまたぞろそれを報じるから人気は相乗し、首相はわれ知らず人気の波に酔っているかに見受けられた。
               (中略)
それでは、政治権力とメディアが合作したこの劇場の空気とはなんだろうか。
第1に、分かりやすいイメージや情緒が、迂遠ではあるけれど大切な論理を排除し、現在の出来事が記憶すべき過去(歴史)を塗りかえてしまうこと。

第2に、あざとい政治劇を観る群衆から分析的思考を奪い、歓呼の声や嘲笑を伝染させて、劇を喜ばない者たちにはシニシズムを蔓延させたことであろう。

     辺見 庸 『小泉時代とは』 「劇場」と「観衆」の5年間


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2006年03月09日

公の私化

日本を含めた近代が前提としてきた、権力を制限して個人の自由を守るという立憲主義の考え方とは全く正反対のことが起きているのである。
また、小泉氏の言動から、公権力を持つ人々が心のままに行動する「公の私化」が日本社会で進んでいるのではないかという危惧を覚える。

ライブドア事件などでも明らかになったように、「官から民へ」というスローガンの下、実は「公」から「私」へ、つまり公共的なものの価値をおとしめ、私益が優先されるという流れが経済の領域で進んでいる。

総理大臣は、日本国というまとまりを持った公共社会の意思を内外に伝達する一番目に付く立場にある。
自らの言動に対する国際社会の評価を含め、様々なことを考えてメッセージを発すべきなのに、言動に感情や情緒といった心の問題を持ち込むのは、「公の私化」が政治の領域で始まっていることの表れだろう。

かつては権力者の心の自由のままに、権力を持たぬ者の自由は切り捨て御免だった。
王侯貴族の所有物だった政治が公共の手に移ったのが、近代であったはずだ。
その前提が失われようとしているのだろうか。
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朝日新聞 『靖国参拝は「心の問題」か』 のうち 憲法学者・樋口陽一氏の文から    
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2006年03月05日

公の私化@

歴史的には、政教分離はキリスト教文化圏で生まれた。
宗教権力が世俗権力よりも優位だった欧州社会とは異なり、日本では世俗の政治権力が宗教を利用した歴史を持つ。
とりわけ、戦争遂行と士気高揚という世俗目的のために国家神道が動員された反省に立ち、日本国憲法で政教分離規定が定められた。
                 (中 略)
最高権力者が自らの意のままに振る舞うために心の自由」を持ち出す一方で、良心に照らして個人がしたくないことを無理にさせるという強制が現実に起きている。
入学式や卒業式での国旗掲揚や国歌斉唱をめぐり、「起立できない」「君が代を歌えない」として起立しなかった教師の「心の自由」が子供たちの目の前で押しつぶされている。
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朝日新聞 『靖国参拝は「心の問題」か』 のうち 憲法学者・樋口陽一氏の文から    
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2006年03月04日

書き言葉コーパス

国立国語研究所は、書かれた現代日本語のデータベース書き言葉コーパス構築に乗り出す。      
2010年までの5年計画で、世界最高水準といわれるイギリス英語を集めたブリティッシュ・ナショナル・コーパス(BNC)の1億語を上回る規模を目指す。
日本語の語彙研究や辞書編集、常用漢字表の見直し、コンピューターによる言語処理など幅広い応用が期待される。
コーパス(corpus)原義は身体、(文献などの)全集。
実際に書かれたり、話されたりした文章を言語活動の実態に沿ってバランスよく集め、分類した大量の資料。
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